Visual Studioコードネーム"Orcas" - March 2007 CTP

次期Visual Studioであるコードネーム"Orcas"のMarch 2007 CTPが公開されました。今回は下記の4種類があります。

Virtual PCイメージ(Team Foundation Server
Microsoft Download Center: Windows, Office, Xbox & More


Virtual PCイメージ
Microsoft Download Center: Windows, Office, Xbox & More


インストーラTeam Foundation Server
Download details: Visual Studio Code Name "Orcas" March 2007 CTP (Team Foundation Server - Self-extracting Install)


インストーラ
Microsoft Download Center: Windows, Office, Xbox & More



今回のCTPは、予告通り待望のWPFビジュアルデザイナであるコードネーム"Cider"が組み込まれています。4つ目のインストーラ形式のものをダウンロードし、Windows Server 2003にインストールしてみましたので、WPF関係の部分について下記にレポートしたいと思います。


1.プロジェクトの新規作成
これまでWindowsフォームとは別に「.NET Framework 3.0」というプロジェクトの種類に分類されていたWPFアプリケーションですが、今回からWindowsフォームと同じ「Windows」というプロジェクトの種類に含まれるようになりました。



そして、Frameworkバージョンを選択することで、各Frameworkのバージョンに合わせたアプリケーションのテンプレートを適用することができます。Frameworkバージョンを2.0に設定するとWPFアプリケーションは選択肢に表示されません。



2.プロパティウィンドウ
プロパティウィンドウは、以前は単純に値が表示されていた簡素なものでしたが、今回はExpression Blendのプロパティパネルで採用されているようなインターフェイスがいくつか盛り込まれています。



アタッチプロパティもプロパティウィンドウから設定できるようになっていますし、Marginなんかも"20"と設定すれば自動的に"20, 20, 20, 20"と設定されます。そして、なぜかフォントにはアンチエイリアスがかかっています。


3.インテリセンスの強化
以前はスキーマを参照してインテリセンスを実現していたようですが、今回からアセンブリのオブジェクト構造が参照されるようになったようです。このおかげで、標準以外のアセンブリでもインテリセンスが効くようになりました。



また、ネームスペースの追加"xmlns:"といった部分でもインテリセンスが効ききます。


4.イベントハンドラの追加
従来のコントロールをクリックしてデフォルトイベントのハンドラが記述される機能や、プロパティウィンドウにイベント一覧が表示され、そこからハンドラを自動生成できる機能は実装されていませんが、コードウィンドウの上部にあるコンボボックスからコントロールとイベントを選択してハンドラが自動生成される機能は実装されています。



ただし、これはXAML側にハンドラが記述される方法ではなく、Visual Basicにだけ存在するHandles句を使って関連付けを行う方法となっています。ですので、C#だとこの機能は使えないようです。


5.ドキュメントアウトラインウィンドウ
Document OutlineウィンドウというExpression Blendのオブジェクトとタイムラインパネルに表示されるような、XAML部分のオブジェクトツリーが表示されるウィンドウが追加されています。



各オブジェクトを選択すると、そのプレビューが脇にポップアップするかたちで表示されるというBlendにもない機能が付いているのですが、残念ながらオブジェクトをドラッグアンドドロップしてパネルの中に配置するということには対応していないようです。


現時点で気づいたことは以上です。新しい発見がありましたら、随時こちらでご報告していこうと思います。