C#に対するVisual Basicのシェア

 この記事はVisual Basic Advent Calendar 2012の参加記事です。


 1つ後のバージョンで実装されるということはあるものの、現在のVisual BasicC#の言語機能はほぼ対等です。しかし、C#に比べるとVisual Basicは立場が弱まってきていると感じることが、最近多くなってきたように思います。


 たとえば、最新のWindowsストアアプリを扱ったセッションや開発レーニングセミナーでは、C#Visual Basicではなく、C#JavaScriptを選択するようになっています。

http://www.neclearning.jp/courseoutline/courseId/MV047/.12



 Windowsストアアプリのデベロッパーセンターでは、ドキュメントこそVisual Basicのコードもきちんと掲載されていますが、ダウンロードできるサンプルプロジェクトには、C#はあるのにVisual Basicが含まれていないものがいくつか存在します。

Windows 8 XAML GridView grouping and SemanticZoom sample in C#, VB.NET for Visual Studio 2013



 そして何よりも、blogなどの個人メディアで発信されているコードは、最新の話題であればあるほどC#が中心となりVisual Basicのコードを見つけるのは難しいというのが現状です。


 Visual BasicC#よりもシェアが低いのでしょうか。もう少し具体的なデータを見てみましょう。


 下の図は、プログラミング言語のシェアを語る際によく用いられる「TIOBE Programming Community Index」の時系列グラフです。

TIOBE Index | TIOBE - The Software Quality Company






 このグラフだとごちゃごちゃしていて分かりにくいので、Visual BasicC#だけ抜き出してみました。





 Visual Basickは2009年の後半に落ち込みが見られ、その後C#に抜かれているのが分かります。C#も2012年はあまり調子が良くなかったようですね。


※2012/12/19追記
 コメントにて教えていただきましたが、Visual Basic2010年の10月からVisual Basic .NETが独立しているそうです。ただし、この値をプラスしても各月に0.3%から1.3%程度加算されるだけですので、大きな影響はありません。


 次にGoogle トレンドを見てみます。





 青が「VB」で、赤が「C#」です。こちらはもっと早くて、2005年の途中でC#に抜かされています。でも、対象の国を日本に限定するとこれが結構変わってきます。





 どちらもあまりいい状況ではないようです。


 ここまでの数字は、どちらもあくまで傾向を表したものであり、実際の開発者の数や使用割合などとは直接リンクしていません。では、よりそれら実際の値に近いと思われる数字を見てみましょう。


 グレープシティがスポンサードさせていただいている「業務アプリInsider(旧称:.NET開発者中心)」では、毎年読者アンケートを実施しています。この中で.NET開発者中心が始まった2009年と最新の2011年(2012年のアンケートでは使用言語を問う設問がなかったため)を比較してみます。





 C#よりもVisual Basicのほうが若干多く、またその割合もほとんど変化していないことが分かります。


 最後にグレープシティのサポート問い合わせにおけるVisual BasicC#の比率をグラフ化したものを掲載して、この投稿を締めたいと思います。





 グレープシティのサポート問い合わせでは、2002年に.NET製品をリリースしてからの10年間、Visual BasicC#の比率は7:3とほとんど変わっていません。


 C#に対するVisual Basicのシェア。どのように感じられたでしょうか。