WPFアプリケーションしか開発しなくても「Silverlight 4 Tools for Visual Studio 2010」は必ずインストールしましょう

 「Silverlight 4 Tools for Visual Studio 2010」(以下、「Silverlight 4 Tools」)は、その名前の通りVisual Studio 2010でSilverlight 4を開発できるようにするツール(アドオン)です。しかしながら、このツールのダウンロードページをよく見てみると、注意事項の欄には以下のような記述が存在します。

Visual Studio 2010 の更新プログラム(KB982218)については、Visual StudioWPF および Silverlight ツールに関するその他のバグ修正や機能拡張が含まれるので残しておいてもかまいません。



 「Silverlight 4 Tools」をインストールすると、一緒に「Visual Studio 2010 および Visual Web Developer Express 2010 用の更新プログラム (KB982218) 」とうものもインストールされます。



 この更新プログラムには、不具合の修正だけでなくWPFSilverlightに共通した機能拡張が含まれています。ここでは、この更新プログラムで追加される機能のうちWPFでも有効なものをご紹介します。

Final Release of Silverlight 4 Tools for Visual Studio 2010 is Now Available – WPF & Silverlight Designer



[プロパティマーカー]のメニューの[値の定義に移動]
 プロパティウィンドウの左の列の端にある[プロパティマーカー]のメニューに[値の定義に移動]が追加されています。





 そのプロパティの値がローカル値ではなく別の場所で定義されている場合、このメニューをクリックすることでXAMLエディタのカーソルがその場所に移動します。


StyleのSetter部分におけるIntellisense
 Visual Studio 2010ではBindingなどのマークアップ拡張でもIntellisenseがサポートされるようになりましたが、StyleのSetterがサポートされていないことは私自身非常に残念に思っていました。更新プログラム(KB982218)を適用すると、SetterのPropertyプロパティでもIntellisenseが効くようになります。なお、Propertyプロパティ設定後であれば、Valueプロパティに対してもIntellisenseが有効となります。





CollectionViewSourceのデザイナ上での選択
 CollectionViewSourceがリソースに定義されている場合には、デザイナの左側にデータベースアイコンが表示されるようになりました。そこからCollectionViewを選択し、プロパティウィンドウで各プロパティの値を設定することができるようなっています。これは主に[データソース]ウィンドウからのドラッグアンドドロップによるデータ連結のシナリオをサポートする機能と思われます。その証拠に、例えばObjectDataProviderといったCollectionViewSource以外のデータソースは表示されません。





コンテキストメニューの[グリッド行]と[グリッド列]
 Gridレイアウトの場合に、コンテキストメニューに[グリッド行]と[グリッド列]が表示され、そこから行と列の移動、挿入、削除が行えるようになっています。





Thickness型のプロパティのエディタ
 MarginやPaddingといったThickness型のプロパティに専用のエディタが追加されています。





 なお、「Silverlight 4 Tools」をアンインストールしても更新プログラム(KB982218)はアンインストールされません。